2025 / 12 / 18

冬の高速道路の走り方｜雪・凍結で安全に走るための知識

高速道路を走っているとき、突然雪が降り始めたり、路面が凍っていたりして不安になったことはありませんか。

周りの車に追い越されて「自分だけ遅いのでは」と焦ってしまう経験をされた方も多いかもしれません。冬の高速道路は夏とはまったく違う環境ですが、適切な知識と対策があれば落ち着いて対応できるものです。

本記事では、冬の高速道路に潜むリスクの理解から、出発前の車両チェック、走行時の運転方法、チェーン規制への対応まで、初心者の方でも実践できる安全対策について詳しく解説します。

冬道の不安を抱えたまま運転する必要はありません。
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冬の高速道路に潜むリスクを理解する

冬の高速道路では路面の状態が変わりやすく、視界も悪いことに加え走行速度も速いため、事故が起こりやすくなります。
そのため、冬ならではの危険がなぜ起こるのかをしっかり理解しましょう。

凍結とアイスバーンのメカニズム

冬の高速道路で最も危険なのは、目では分かりにくい「ブラックアイスバーン」です。一見すると濡れているだけの路面に見えますが、実際には透明な氷が薄く張り付いています。気温が−3℃以下になると、残った雪や水分が凍って薄い氷膜になり、摩擦力を奪います。

高速道路で凍結が起きやすい場所は次のとおりです。

• 風通しのよい橋の上や陸橋
• トンネルの出入口
• 日陰部分や山間部
• 吹雪後の除雪が不完全な箇所

凍結路面では制動距離が大幅に延びます。凍結路面では止まるまでに乾燥路面の4倍以上の距離が必要になることがあります。

雪による視界不良と路面変化

雪道では視界不良と路面変化が同時に起こります。特に以下の状況では注意が必要です。

• 降り始めの雪：濡れた路面と凍結が混ざり非常に滑りやすい
• 圧雪路面：雪が踏み固められて氷のようになりブレーキをかけても止まりにくくなる
• わだち：ハンドルをとられ、車体が左右に流れやすい
• 吹雪：周囲が真っ白になり、遠近感・速度感が失われる

吹雪で前方車両のテールランプしか見えない状況では、無意識にスピードが出過ぎることがあります。

心理的不安が運転に与える影響

「怖い」と感じることは自然なことですが、不安が強すぎると以下のような影響が出ます。

• ハンドルを握りすぎて細かい修正ができない
• 周りの速度に合わせようとして無理な運転になる
• ブレーキのタイミングが遅れる
• 冷静な判断ができない

冬の高速道路では、「自分がコントロールできる安全速度で走る」ことが最重要です。周りより遅くても心配することはありません。

出発前に必ず行うべき車両チェック

冬道の安全は準備が重要です。高速道路は途中で引き返せないため、以下のチェックは必ず行いましょう。

タイヤの確認

• 溝の深さ：摩耗が進んだスタッドレスタイヤは制動距離が伸びやすい
• 空気圧：気温が下がると、規定値よりやや高めが良い
• チェーンの常備：チェーン規制に備えて積んでおく

視界確保の準備

• 冬用ウォッシャー液：凍結しないタイプに交換
• ワイパーゴムの劣化チェック：拭きムラがあれば交換
• デフロスター・デフォッガーの確認：ガラス曇りは重大事故に繋がる

バッテリー・燃料

• バッテリー：寒冷時は性能が低下しやすい
• 燃料は最低半分以上：渋滞・通行止めで長時間止まる可能性がある

もしもの備え（車内に常備）

• 毛布・カイロ
• 軍手
• スノーブラシ・スクレーパー
• 長靴
• 充電器

冬の高速道路では、走り出してからできる対策には限りがあります。
出発前に車両状態を確認しておくことで、路面状況の変化にも落ち着いて対応しやすくなります。

雪・凍結時の合流・追い越し・車間の基本

ここからは、実際の走行で役立つ具体的な操作と判断基準を紹介します。

速度設定と車間距離

冬道では制動距離が伸びるため、速度と車間距離の確保が最優先です。
走行速度はいつでも安全に止まることのできる速さにしましょう。

車間距離は十分に保つことが重要です。

• 乾燥路面：前車通過から2秒以上
• 湿潤路面：通常の約2倍
• 圧雪路面：通常の約3～4倍
• 凍結路面：通常の約8倍以上

合流のコツ

加速車線が滑りやすいことがあるため、以下を意識します。

• 1. 早めにウインカー
• 2. 無理な加速はしない
• 3. 十分な車間を見つける
• 4. 入れてもらったらハザードで合図

車線変更・追い越しは最小限に

• 追い越し車線は雪が残りやすい
• 加速・減速により滑りやすくなる
• わだちでハンドルを取られることがある

どうしても行う場合は、ハンドル操作をゆっくり、一定の操作で行いましょう。

ブレーキの使い方

• エンジンブレーキが基本：アクセルを戻すことで自然に減速
• 急ブレーキ禁止：ABSが作動しても停止距離は伸びる
• 下り坂では特に慎重に：前もって速度を落とす

雪や凍結時の高速道路では、特別なテクニックよりも「無理をしない判断」が安全につながります。
合流や追い越しは最小限にし、十分な車間距離を保つことを意識しましょう。

チェーン規制・通行止め時の対応

「チェーン規制」は、スタッドレスタイヤでもチェーン装着が必須の状況です。

• 規制区間に入る前に装着場所が指定されることが多い
• 無理に走行するとスリップ事故の原因に
• 金属チェーンが最も効き、樹脂チェーンは装着が簡単で初心者向け

装着経験のない方は、自宅で一度練習しておくと良いでしょう。

規制情報の確認方法

• 出発前: JARTIC、高速道路会社の公式サイト・アプリ
• 走行中: ハイウェイラジオ、道路情報板、SA・PAでの情報掲示

通行止めになったら

• 最寄りのSA・PAに退避
• 開通見込みを確認し、代替ルートを検討
• 無理に進まず、安全な場所で待機

長時間の待機では、一酸化炭素中毒防止のため、エンジンをかけっぱなしにしないことや定期的にマフラー周りの雪を除去するなどに注意しましょう。

冬の高速道路ではこれらに限らず、思いがけないトラブルに遭遇することがあります。
いざという時に対応できるように、正しい対処法を知っておくことが大切です。
こちらの動画では、慌ててしまいがちな運転時のトラブルに備えることができます。

冬の高速に不安な人向けの練習ステップ

「冬の高速道路は怖い」と感じるのは、当然の反応です。練習を積み、自信をつける方法をご紹介します。

ステップ1:マイカーで冬の路面に慣れる

自宅周辺の道路で練習し、普段使う車の車両感覚やブレーキの効き方を把握しましょう。

• 雪の降った翌朝、空いている駐車場でブレーキの効き方を確認
• 坂道での発進・停止を何度か試す
• 自宅周辺の「凍りやすい場所」(橋の上、日陰など)を実際に走る

ステップ2:一般道での長距離走行

高速道路に行く前に、一般道での長距離運転に慣れましょう。

片道30分〜1時間程度のルートを設定し、天候の良い日中に走ることで、運転への不安が薄れていきます。

ステップ3:高速道路の短距離から始める

最初は、インターチェンジ1〜2区間の短い距離から挑戦しましょう。

平日の日中に天候が安定している日、路面が乾燥している日を選び、トンネルや橋が少なく、緩やかな区間から始めると良いでしょう。

ステップ4:プロと一緒に練習する意義

独学での練習には限界があります。特に冬道は、「どこが危険か」「どう操作すべきか」を経験者から学ぶことで、理解が深まります。

フレスタの出張講習では冬道運転の不安が解消でき、運転のポイントも学ぶことができます。

• 自宅周辺の”凍りやすい場所”を一緒に走れる
  講師が補助ブレーキを持参し、実際の生活道路で安全に練習できます。
• マイカーで練習するから、タイヤや車の特性を把握できる
  スタッドレスタイヤの効き方、自車の視界、暖房の調整方法など、実践的な知識が身につきます。
• 元白バイ隊員監修の理論に基づく指導
  なぜ危険なのか、どう操作すれば安全なのか、理由とセットで学べます。雪道で事故が起きやすい理由や制動距離の伸び方、急操作のリスクなど、理論と実走で理解が深まります。

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冬の運転の不安は、知識と練習で必ず小さくなる

凍結や雪、視界不良という見えにくいリスクに対して、慎重になるのは自然なことです。不安を放置せず、対策を知り、実践していくことを心がけましょう。

本記事でお伝えした大切なポイントは以下のとおりです。

• 冬の高速道路のリスク(凍結・雪・視界不良)を理解する
• 出発前の車両チェックで、トラブルを未然に防ぐ
• 速度・車間距離・ブレーキ操作を冬仕様に切り替える
• チェーン規制や通行止めには、柔軟に対応する
• 段階的な練習で、自信をつけていく

知識を頭で理解することと、実際に運転することはまったく別物です。独学で身につけることもできますが、プロと一緒に練習した方が安全で効率的に学べます。特に冬道は、凍りやすい場所や、マイカーの特性を知ることが重要です。

フレスタの出張講習なら、生活道路で実際に使う車を使って、冬の運転に必要な技術と心構えを丁寧に身につけられます。

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